耐震等級について
家づくり相談室
2018/11/02
皆さんこんばんは!子育て安心住宅の営業、武田です。
ここ最近は、朝晩と大分寒く感じるようになってきましたね。
子育て安心住宅でも風邪引いてしまっている人がチラホラいますが、皆さんは大丈夫でしょうか!?
体調管理にはお気をつけください。
さて、今日は耐震等級というものについて書いていきますので、最後までよろしくお願いします。
2016年に熊本地震というものが発生しました。
この地震は震度7の揺れが二回起こるという、まさに想定外の事が起こった地震でした。
地震について皆さん考えが変わった方も多かったのではないでしょうか!?
地震に対する一つの評価基準として皆さんご存知の耐震等級というものがあります。
これについて少し書いていきたいと思います。
※建築基準法で建てられる家が耐震等級1となります。
1981年に耐震性能についての法改正がありました。1981年以前の基準を「旧耐震基準」、それ以降を「新耐震基準」と呼んでいます。
この法改正により建物の耐震性が大幅に向上しています。
何故かというと、必要となる壁の量が1.4倍になっているからです。(住宅の強度は、工法にもよりますが、木造は壁によって作られているので)
さらに2000年の法改正で壁の配置についても言及していて、今では、壁のバランスも良い家になっています。
今の耐震基準はこのような流れで成り立っています。
さて、熊本地震では、建物の被害はどうだったのかというと、新耐震基準の家は約8%、旧耐震基準では約32%の倒壊率
となっています。約4倍です。
法改正のおかげで被害はかなり少なくなっています。
ちなみに今の数字は耐震等級でいうところの1です。
耐震等級というのは「耐震等級1=新耐震基準」
「耐震等級2=耐震等級1の1.25倍」
「耐震等級3=耐震等級1の1.5倍」
となっています。
耐震等級1が旧耐震基準の1.4倍の耐力です。さらにそれを1.25倍にしたものが耐震等級2です。
とても強くなっていると思うのですが、耐震等級2の家が、熊本地震では倒壊してしまっています。
その一方で、旧耐震基準の家の約68%が倒壊をしないで耐え凌いでいるのです。
強度の弱いはずの旧耐震基準の家の半数以上が倒壊していないのに、とても強くなった耐震等級2の家が倒壊してしまっているとは少し驚きですよね?
という事は、耐震等級2の家でも、旧耐震基準の家より弱いこともあるというのが現実です。
では、何がそうさせるのか。
それは、構造の設計(設計者の考え)です。
具体的には、直下率(1階の壁の上に2階の壁が来る率)であったり、壁の配置バランスや、材料の選定などです。
旧耐震基準の家の半数以上が持ちこたえたのはこの設計をしっかりと考えて作られていたからです。
耐震等級というのは、強度がある事を確認する一つの基準だと言い換えることができるので、そう考えると、やはり耐震等級の認定が、ないよりはあったほうがいいと思います。
ですが、耐震等級の認定があるから強い家とはならない可能性があります。という事です。
やみくもに耐震等級を求めるのではなく、きちんとした構造設計、直下率や、壁の配置など、強度をきちんと考えた設計の家に住むことがなにより重要です。
皆さんも、家を建てるときは、自分の家の構造はきちんと考えて作られているのか?という所をきちんと確認していただき、建てて頂きたいと思います。
今日は書かせていただいた内容は私の考え方ですが、みなさんのお役に少しでも建てたのなら幸いです。
最後までお読みくださってありがとうございました。